環境、ECO、省エネ(CO2削減)に貢献
マンションの長寿命化大規模修繕
マンションの長寿命化大規模修繕は可能です
日頃マンション管理に御苦労されている方々にご案内させて頂きます。
一定期間毎に繰り返す"大規模修繕"に何か疑問はありませんか。
私共が、"こんなに長持ちする材料が有ります"と、設計事務所や建設業者に行くと"そんなに長持ちされたら困る"と言われることが一回や二回ではありません。
コンクリート構造物の耐用年数は、戦後に制定された税務上で60年のままですが、札幌市の市営住宅でも設備(配管)上のこともあって40年程度で老朽化して建て替えられています。
戦後78年の間には、コンクリートを取り巻く環境は大きく変わりました。
セメントの原料、骨材(砂利・砂)、混和剤、施工そして毎日曝される排気ガスや酸性雨等々です。
あらゆる建造構造物は、出来上がった瞬間から紫外線、凍害、塩害、中性化、風雪水、化学物質などによって劣化が進行します。
100%劣化しない建造物や補修方法はありませんが、それでも快適に長持ちさせることは出来ます。
同じような出来栄えのマンションでも購入後に、ひび割れや遊離石灰の発症するものとないものでは耐久性能に大きな差が生じ、修繕費にも差が生じます。
この度、"コンクリート補修(ひび割れ・欠損)、塗装、防水"に関して"こんな考え方もあるんだ"ということを紹介させて頂き"材料や工法選定"の判断に役にたつことを願ってここに提案致します。
説明します
  1. コンクリートの微細な構造や性能が解れば、どんな材料や工法を使えば耐久性が高くなるかが解る。
  2. 鉄筋偽装事件より怖いコンクリート強度、かぶり厚さ。
  3. 全ての劣化原因は、紫外線(UV)、凍害、中性化、塩害、酸性雨と言うけれどどんな劣化を起すの?
  4. カタログから材料の性能を読み取る(カタログには都合の悪いことは書かない)
  5. 全ての"性能試験データ"は実験室で行われている。
  6. 長寿命の設計と過剰設計の違い。
  7. 結局は何が言いたい。
  8. 間違いのない業者選び。
高耐久化の根拠説明資料
  • コンクリートを理解するために
*コンクリートの組成
 セメント = 石灰・粘土・焼却灰・等々
 砂利・砂 = 川砂利・砂 → 山砂利・砂 →海砂利・砂 → 砕石・砕砂
 混和剤
 水・空気
*コンクリートの構造
 エントラップエア(生コン練り込みエア)
 エンドレイッドエア(減水剤に生じるエア)
 余剰水の蒸発後の細孔空隙
 水和反応の結晶化進行による体積減少
 結果として≒18% 前後の空隙
 ◎空気は9〜14%熱膨張、収縮を繰り返す
 ◎1ccの水は1200〜1700ccの水蒸気になる
*強度の発現
 水和反応によって強度は発現する
 90日で一つの目安となる強度に達する
 生コンが固まるのに必要な水の量 = セメントの25〜28%
 ◎コンクリートは乾いたから強度が出るわけではない
*打設
 現場練 → ポンプ車 = 流し込み
 締固め → 養生
*鉄筋
 被り厚、配筋
  • コンクリートの劣化
*凍害 = 水は凍結すると≒9%膨張する
水の浸透・塗膜の内側
*中性化 = 二酸化炭素が浸透し、カルシウムと反応して炭酸カルシウムとなり、アルカリ性が低下する
*塩害 = 塩分の浸透・膨張
PH9以上では塩分が鉄筋を錆びさせることはないが、PHが9未満になると錆の進行が始まる
*水掛かり = セメントペーストは水に触れると溶脱する。(酸性雨は進行が早い)
  • コンクリートの目に見える損傷
*ひび割れは、(初期ひび割れ、応力によるひび割れ)コンクリートの全ての劣化を促進する
*遊離石灰は、アルカリ性を低下させ空隙を増加させる
(遊離石灰はコンクリートやモルタルの中を水が流れることにより生じる)
通常遊離石灰を除去しただけで終わる
*剥離・損傷
 ・鉄筋腐食による
 ・コンクリートの劣化(凍害)による
 ・衝撃による
*凍害によるスレーキング
  • その他の考慮事項
*セメントの主成分"カルシウム"は水に、酸(酸性雨)にはもっと溶けやすい
*透気・透湿性のない塗膜材は剥離が生じ易く、塗膜の内側で凍害を促進する
*熱を生じる塗膜材は剥離・膨れ・ピンホールが生じる
*高品位施工と低品位施工(技術・技能の低下)
*コンクリートが呼吸するということはどう言うこと
 コンクリート中の空隙は≒18%
 温度により異なるが 水は凍ると≒9%膨張・水蒸気は≒1,200〜1700倍
 空気は≒9〜14%膨張収縮を繰り返す
*全てのコンクリートは同じではない
 無機とは = 紫外線劣化を起しにくい
 有機とは = 紫外線劣化を起しやすい
*外装は、紫外線劣化をしない材料(無機)を選定することで長持ちする。
 ・タイルの貼付けにはプライマーを用いない工法とする
 ・透気・透湿性のある無機塗料を用いる
 ・水を浸透させない
*防水
 ・ひび割れ追従性・耐候性・熱を伴わない・膨れを生じない
補修の際に考慮すべきこと = (劣化原因を特定して対処する)
  1. コンクリート
    空気(酸性雨・CO2)、水、骨材(アルカリ骨材反応・高吸水)、塩化物、汚れ、施工不良、設計不良
  2. 塗装(コンクリート・鋼材・木等)
    紫外線、汚れ、親水性、撥水性、透気・透湿性、施工不良、設計不良
  3. 防水
    紫外線、熱、透気・透湿性、施工不良、設計不良
*空気 熱(温度変化)により膨張、収縮を繰り返す。
*水 凍結融解、水蒸気になって膨張、漏水
*酸 酸性雨、醗酵酸(サイロ・堆肥)、硫酸(下水道・火山)
*紫外線 有機の材料を破壊(水性塗料、アスファルト、アクリル・エポキシ・ウレタン樹脂等)
*汚れ カビ、苔、草木、バクテリア
*塩化物 鉄筋を腐食(コンクリートPH10以上では腐食しない)
*CO2 コンクリートのCa(カルシウム)と反応して中性化
*施工不良 鉄筋被り不足、締固め、養生不足(水養生・型枠脱型)、生コン流し打ち、アル骨反応・高吸水骨材不確認
*設計不良 鉄筋の過不足、施工管理能力不足、材料選定、老朽化による取替が容易な設備設計
*遊離石灰や雨筋は取っただけでは補修したことにはならない。
*漏水は全ての補修工事に優先して対策する。
(乾いていても、遊離石灰の出ているところは"漏水"と看做す)
*コンクリートに手摺などの支柱を建てるときは、支柱の回りを防水する。
*ひび割れを"UまたはVカット"して補修すると結果として、ひび割れを2本に増やすことになる場合がある。
*断面修復を行うときは、補修界面に水を浸透させない施工とする。
 (既設コンクリートと一体化または防水対策を施す)
結局は何が言いたい
  1. コンクリート長持ちさせるためには水を浸透させない。
  2. コンクリートには透気・透湿性のない塗膜材は用いない。
  3. コンクリートを長持ちさせるためには、コンクリートを理解している技術者、技能者による施工でなければならない。
  4. 遊離石灰が出ているところは漏水と看做して、対策を施す。
  5. 漏水対策は、全ての補修工事に優先させる。
  6. 材料カタログには、製造販売会社に都合のいいことしか書いてない。
  7. 性能試験データは、最もいい環境での試験である事。
     現場の施工環境では確保が困難であることを考慮して材料選定をする事。
  8. 施工中の現場を抜き打ちで見ること。(新築も大規模修繕の時も)
  9. 鉄筋偽装事件より怖い?
     *強度発現不足
     *鉄筋の入れ過ぎでコンクリートが充填されていない
  10. 万能な材料、施工はない
     *補完する施工を確保する
  11. 小さな傷や劣化でも早期に対処、補修する。
  12. 最低年2回、春と秋に点検する。(屋上ドレン回りの枯葉除去を必ず行う)
工事価格の低価格化と高品位施工と業者選定
オーバースペックと高品位施工・高耐久性性能は違います。